神棚にまつわる豆知識
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神棚 豆知識
年末年始の神棚掃除:すす払いと神様へのお礼
年末年始は、一年の締めくくりと新しい年の始まりを迎える大切な節目の時期です。
日本の家庭では大掃除を行い、神棚や仏壇も清めて新年を迎える準備をします。その中でも特に重要なのが「神棚の掃除」、いわゆる「すす払い」です。
神棚は一年間、家を見守ってくださった神様をお祀りする場所ですから、年末にきれいに整えて神様に感謝を伝えることは欠かせません。今回は、年末年始の神棚掃除の正しい作法やすす払いの意味、そして神様へのお礼について詳しく解説します。
神棚掃除の意味
一年の感謝を伝える神棚掃除は、単なる清掃ではなく「一年間守っていただいた感謝」を表す大切な儀式です。
日々の暮らしの安全や家族の健康、仕事や学業の充実など、神様に見守られてきたことを振り返りながら行います。清浄な場に整える
神様は「清らかな場」を好まれるとされます。
埃や汚れがたまったまま新しい年を迎えるのは、神様に失礼にあたります。
きれいに整えることで、清浄な空間を保ち、新しい年を迎える準備が整います。すす払いとは
起源
「すす払い」はもともと宮中や寺社で行われていた行事で、正月を迎えるために建物全体を清める意味がありました。
江戸時代には一般家庭にも広まり、今では大掃除の一環として行われています。神棚でのすす払い
神棚のすす払いは、神札やお供えを一旦下げ、棚を丁寧に清める作業を指します。
ただの掃除ではなく、「神様をお迎えする準備」として心を込めて行う点に意味があります。掃除をする時期
年末の吉日
神棚の掃除は12月中旬から28日頃までに行うのがよいとされています。
特に「28日」は末広がりで縁起がよいため、神棚掃除やお札の交換日に選ばれることが多いです。避けるべき日
29日=「二重苦」と読まれるため不吉
31日=「一夜飾り」といって神様をお迎えするには慌ただしすぎるこれらの日は神棚掃除やお札交換を避けた方がよいでしょう。
掃除の手順
1. 手を清める
まずは手を洗い、口をすすいで身を清めます。
神棚に触れる前に「心身を整える」ことが大切です。2. お札を下げる
神棚に祀ってある神札を丁寧に下げ、白い紙や布の上に置きます。
この時、お札を粗末に扱わないよう注意しましょう。3. 神具を下げる
お供え用の器(瓶子、皿、水玉など)を下げ、中身を処分します。
処分の際は「感謝を込めて」行うことが大切です。4. 棚を清掃する
柔らかい布やはたきで埃を落とし、乾拭きで清めます。
洗剤は使わず、水拭き程度にとどめるとよいでしょう。5. 神具を洗う
器はぬるま湯で洗い、乾いた布で拭き取ります。
一年の汚れを落とし、清浄な状態に整えます。6. お札と神具を戻す
清掃が終わったら神棚にお札を戻し、神具を整えて新しいお供えをします。
神様へのお礼
言葉にして伝える
掃除が終わったら、神棚に向かって「一年間お守りいただきありがとうございました」と感謝を伝えましょう。
声に出しても、心の中で唱えても構いません。お供えを整える
新しいお米・塩・水を供え、年末の感謝を表します。
また、鏡餅やしめ縄などの正月飾りも整えていきます。年末年始のお札の扱い
古いお札
一年間お守りいただいたお札は、感謝を込めて神社に納めます。
多くの神社では年末年始に「古札納め所」が設けられ、お焚き上げが行われます。新しいお札
新しい年を迎えるにあたり、神社で新しいお札を授与していただき、神棚にお祀りします。
古いお札を納め、新しいお札を祀ることで「新しい一年の守り」が整います。正月飾りと神棚
しめ縄
神棚にしめ縄を飾るのは「結界」を意味し、清浄な場を守る役割があります。
年末の掃除後、新しいしめ縄に取り替えるとよいでしょう。鏡餅
鏡餅は歳神様をお迎えするための供物です。
神棚に供えることで、家庭全体が歳神様の恵みをいただけるとされます。家族で行うすす払い
神棚掃除は一人で行うのも良いですが、家族で協力して行うと「感謝の気持ち」がより深まります。
子どもと一緒に神棚を清めることで、「感謝の心」を自然に伝える教育の場にもなります。まとめ
・神棚掃除=すす払いは「一年間の感謝」と「新年の準備」
・掃除は12月中旬から28日頃に行う
・29日と31日は避ける
・お札を丁寧に下げ、神棚・神具を清めて戻す
・掃除後は神様に感謝を伝え、新しいお供えを整える
・年末に古いお札を納め、新しいお札を授かる
・正月飾り(しめ縄・鏡餅)で歳神様を迎える
年末年始の神棚掃除は、単なる清掃ではなく「感謝の儀式」です。
神様へのお礼を心を込めて伝えることで、清らかな新年を迎えることができるでしょう。