神棚にまつわる豆知識
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神棚 豆知識
神棚にペットの写真を置くのはNG?神様と動物の関係
神棚は、神社から授かった御札をお祀りし、日々感謝や祈りを捧げる神聖な場所です。
そこに「大切な家族であるペットの写真を一緒に置いてもいいのだろうか?」と悩まれる方は少なくありません。神棚は清浄さが重んじられる場所であるため、「私的なものを置くのは失礼では?」という考え方もあります。
一方で、ペットも大切な家族。健康や長寿を願い、その姿を神様に見ていただきたいと思う気持ちも自然なものです。今回は「神棚にペットの写真を置くのはNGなのか?」という疑問を出発点に、神様と動物の関係、正しい向き合い方について解説します。
神棚の役割
神棚は「神様をお祀りする家庭の小さな社(やしろ)」です。
そこに御札を納め、日々「感謝」と「祈り」を捧げることが基本とされています。役割は大きく二つあります。
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神様を敬い、日々の加護に感謝する場所
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家族や生活の安寧を祈願する場所
つまり神棚は「神聖で清らかな空間」であり、できるだけ余計な物を置かず、神様に心を向けられる状態に整えておくのが理想とされます。
ペットの写真を置くのはNG?
結論から言えば「絶対にNG」という決まりはありません。
ただし、神棚の本来の性質を考えると「置かない方がよい」とされる場合が多いです。理由は以下のとおりです。
・神棚は公的で清浄な場 → 私的な写真や物は持ち込まないのが基本
・神様に意識を向ける場所 → 写真があると気持ちがそちらに偏りやすい
・神棚を「祈願の場」から「飾り棚」として扱ってしまう恐れがある
そのため、神棚にペットの写真を直接置くのではなく、別の場所でお祀りする方が安心です。
神様と動物の関係
日本の神道において、動物は特別な存在として扱われてきました。
神話や神社には「神の使い(神使)」とされる動物が多く登場します。・稲荷神社のキツネ
・春日大社のシカ
・熊野神社のカラス(八咫烏)
・天満宮のウシ
・日吉大社のサル
このように、動物は神様と人間をつなぐ媒介者、神聖な存在として信仰の対象にもなってきました。
また、自然や動物すべてに神が宿ると考える「八百万(やおよろず)の神」という考え方もあります。
その意味では、ペットもまた神様の大切な御業(みわざ)のひとつであり、命そのものが尊いと考えられます。ペットの存在は家族と同じ
現代ではペットは単なる愛玩動物ではなく「家族の一員」として迎えられることが多いです。
そのため、「家族の健康や幸せを願うときにペットも含めたい」と考えるのは自然なことです。実際に、神社の中には「ペット祈願」を受け付けているところもあります。
健康祈願や七五三、長寿祈願など、人間と同じようにご祈祷をお願いできる場合もあります。つまり、神様は人間だけではなく動物も見守ってくださる存在と考えてよいのです。
写真ではなく心で祈る
では、神棚にペットの健康や幸せを祈るとき、どのようにすればよいのでしょうか。
もっとも大切なのは「写真を置くこと」ではなく、「心を込めて祈ること」です。
神棚の前で手を合わせ、・「ペットが元気で過ごせますように」
・「いつも癒しを与えてくれてありがとうございます」
と伝えるだけで十分です。
写真がなくても、神様にはその想いが届くと考えられています。写真を飾りたいときの工夫
それでも「どうしても写真を置きたい」という場合は、いくつかの工夫をすると良いでしょう。
・神棚の中ではなく、近くの別の棚に置く
・神棚の下の方に、小さな額に入れて飾る
・神棚とは別に「ペットのための小さな祈りの場」を作る
こうすることで、神棚の清浄さを保ちながら、大切なペットへの祈りの気持ちを形にできます。
亡くなったペットの場合
もしペットが亡くなった場合、その写真や遺骨を神棚に置くのは避けた方が良いとされています。
神棚は「死」を遠ざける場所とされるため、御霊や遺品を直接お祀りすることは神道の考え方に沿いません。代わりに、仏壇や「ペット供養を受け付けている寺院・霊園」にお願いするのが望ましいです。
ただし、神棚の前で「元気なときに一緒に過ごせたことへの感謝」を伝えるのは問題ありません。ペットと神様をつなぐ習慣
ペットの健康や幸せを願うためにできることは、神棚に写真を置くことだけではありません。
次のような習慣もおすすめです。・神棚の前で毎朝「ペットも家族の一員です」と伝える
・神社にお参りするとき「家族みんなの健康を」と祈願する
・ペット祈願をしている神社に参拝する
このようにすれば、ペットも自然に祈りの中に含まれ、神様に見守っていただけると感じられるでしょう。
まとめ
神棚にペットの写真を置くことは「絶対にNG」という決まりはありません。
しかし、神棚は清浄な場所であるため、写真など私的なものはできるだけ置かない方が良いとされています。大切なのは「写真があるかどうか」ではなく、「ペットを思う心を神様に伝えること」です。
その気持ちを日々の感謝と一緒にお祈りすれば、きっと神様はペットのことも見守ってくださるはずです。 -