神棚にまつわる豆知識
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神棚 豆知識
お正月の神棚準備:新年の神札・しめ縄・鏡餅の飾り方
お正月は新しい年を迎えるにあたり、家族や暮らしを守ってくださる神様に感謝を捧げ、新年の無事や繁栄を祈る大切な行事です。
神棚に神札(おふだ)をお祀りし、しめ縄や鏡餅を飾ることで、清らかな気持ちで新年を迎えることができます。本稿では、神棚のお正月準備について「新しい神札の入れ替え」「しめ縄の意味と飾り方」「鏡餅の供え方」を中心に詳しく解説します。
神棚とお正月の関わり
神棚は日々の生活を神様に見守っていただく場ですが、とりわけお正月は特別な意味を持ちます。
古来より、日本人は新しい年のはじめに「年神様」をお迎えして五穀豊穣や家内安全を祈ってきました。年神様は祖先の神であり、家に幸せを授ける存在とされています。
そのため神棚を清め、神札を新しくし、しめ縄や鏡餅を供えることは、年神様をお迎えするための大切な準備なのです。神札を新しくする
神札とは
神棚の中心に祀られるのは神社から授与される神札です。
主に「天照大神宮(伊勢神宮の神札)」「氏神様の神札」「崇敬する神社の神札」の三種類を祀るのが一般的です。入れ替えの時期
神札は一年ごとに新しくするのが基本です。
お正月に新しい神札をお祀りすることで、神様のご加護を新たにいただけるとされています。
多くの家庭では12月中に神社で新しい神札を授かり、元旦を迎える前に神棚に納めます。古い神札の処分
古い神札は神社の「古札納め所」や「どんど焼き」でお焚き上げしてもらいます。
感謝の気持ちを込めて納めることが大切です。神棚の掃除
神札を入れ替える前には、神棚を清掃しましょう。
・乾いた布でほこりを拭き取る
・神具(榊立て・水玉・米皿など)をきれいに洗う
・榊は新しいものに替える
お正月に神様をお迎えする場を整えることは、心のリセットにもつながります。
しめ縄を飾る意味
しめ縄とはしめ縄は、神聖な場所と俗世を分ける「結界」の役割を持ちます。
「ここは清らかな場所であり、神様をお迎えしています」という印でもあります。飾る場所
一般的には玄関や神棚の上部に飾ります。
神棚用の小さなしめ縄も市販されており、棚板の中央に取り付けるのが一般的です。飾る時期と片付け
しめ縄は「松の内」と呼ばれる期間に飾ります。
地域によって異なりますが、関東では1月7日まで、関西では15日までが一般的です。
外した後は神社に納めるか、どんど焼きでお焚き上げします。鏡餅を供える意味
鏡餅とは鏡餅は年神様の依り代(よりしろ)として供えられるもので、丸い形は「円満」を、二段重ねは「重ね重ねの繁栄」を意味します。
神棚への供え方
鏡餅は神棚の中央、神札の前に供えます。
大きさは神棚の広さに合わせ、無理のないサイズを選ぶとよいでしょう。近年では乾燥保存できるプラスチック容器入りの鏡餅もありますが、気持ちを込めて供えることが大切です。
鏡開き
供えた鏡餅は1月11日(地域によって異なる)に「鏡開き」を行い、家族でいただきます。
神様の力が宿った餅を食べることで、一年の健康と無病息災を願う意味があります。松の内の過ごし方
お正月の間は神棚をいつも以上に丁寧にお参りします。
・朝に新しい水とお米、塩を供える
・家族そろって感謝の祈りを捧げる
・榊がしおれないようにこまめに替える
特別なことをする必要はありません。
「一年の始まりを清らかな気持ちで過ごす」という心がけが何より大切です。家族で行うお正月準備
神棚のお正月準備は、家族全員で取り組むことに意味があります。
・子どもに神棚の意味を教える
・一緒に掃除や飾りつけをする
・鏡開きで供えた餅を分かち合う
こうした習慣は、信仰心だけでなく、家族の絆や感謝の心を育てる大切な教育にもなります。
よくある疑問
神棚がない場合は?
神棚がなくても、清潔な棚の上や高い位置に神札を祀ることができます。
その際も、白い紙や半紙を敷き、しめ縄や鏡餅を添えて整えるとよいでしょう。神棚が狭い場合は?
小さめのしめ縄やコンパクトな鏡餅を選べば問題ありません。
大切なのは見栄えではなく「心を込めて祀ること」です。まとめ
お正月に神棚を整えることは、年神様をお迎えし、新しい一年の幸福を願うための大切な準備です。
・神札は新しいものに入れ替える
・神棚を清掃して整える
・しめ縄で結界を張り、清浄な空間を示す
・鏡餅を供えて年神様を迎える
・松の内には感謝を込めてお参りする
これらの習慣を通して、心身を清め、家族の幸せを願う気持ちが自然と育まれます。